劇団四季

劇団四季が北海道で観られなくなる⁈劇場クローズ後はどうなるの?

北海道の方、そして北海道観光と劇団四季の舞台観劇を考えていた方には、とても残念なお知らせです。

2011年1月にオープンした、劇団四季「北海道四季劇場」が2020年3月15日にクローズすることになりました。
「リトル・マーメイド」千秋楽と共に、劇場も終わってしまうのです。
クローズのニュースは、2017年に劇団四季から公式発表されていました。
2020年8月で、現在劇場がある、札幌市大通東の土地賃貸契約が満了になるそうです。

この先、劇団四季の舞台は、北海道で観られなくなるの⁈

北海道での新劇場建設の予定は……

残念なニュースの後に、さらに寂しくなってしまいますが、北海道では新たな劇場建設計画は発表されていません。
劇団四季に問い合わせてみたものの、やはり同じ回答でした。

札幌出身の友人、このニュースを知っていたら悲しむだろうな。
北海道四季劇場ができるもっと昔に、初めての北海道ロングランミュージカルを決行したのが、劇団四季の「CATS」でした。

当時高校生だった友人は、黒猫を思わせる、見たこともない大きな真っ黒のテント、「キャッツシアター」で、生まれて初めてミュージカルというものに触れたそうです。

舞台芸術が手の届くところに溢れている東京とは違い、北海道の方々には馴染みの薄かった、「セリフをメロディで歌う劇」や、「CATS」という、ミュージカルの中でも特殊な演出の舞台は衝撃だったそうです。

生のステージと言えば、アーティストのコンサートしか経験のなかった友人は、一瞬にして心を奪われました。
その後、看護師になる夢を覆して劇団四季に入ってしまったのですから、彼女の受けた感動は相当なものだったのだろうと思います。

「CATS」が千秋楽を迎えてからは、現在俳優としてテレビで活躍している、山口祐一郎さんが主役を務めた「ジーザスクライスト・スーパースター」「ハムレット」「オペラ座の怪人」などが次々と札幌で上演されました。

最近ではディズニー作品の公演もあり、北海道の方々にとっても、演劇、とりわけミュージカルが身近な存在になっていたことでしょう。

ゴールデンウィークに北海道公演が!

北海道のみなさん、四季はもちろん、北海道から完全撤退なんて考えていませんよ!
5月のゴールデンウィークに「コーラスライン」がやってきます。

コーラスラインはどんな舞台?

CMで流れる「コーラスライン」の一幕は、華やかな衣装に身を包んだダンサーが、「ONE」のメロディに合わせてラインダンスを披露しています。
でもこのミュージカルの本質は、そのラインダンスのラインに立つ前のオーディションにあります。

様々な事情を抱えたダンサー達。
一人ひとりが自分のドラマを持ち、それぞれが自分の歩んできた道を語る場面は、時に笑い、時に胸が苦しくなるような美しさを放ちます。

ところで、劇中歌「愛した日々に悔いはない」の中で、「すべてを捨てて生きた日々に悔いはないという訳詞に、抵抗を持つ方がいるようですね。
何もかもかなぐり捨てなくては舞台に立てないのか。自分の才能を捧げて舞台に立つことが正しいのではないかと、その方はおっしゃいます。

実はこのフレーズ、初めは違う訳詞だったことをご存知ですか?
「コーラスライン」の初演時は、「すべてを捧げて生きた日々に悔いはない」と歌っていたのです。

劇団四季に入った友人が、故浅利慶太氏から聞いた話では、あえて歌詞を変えたのだそうです。

それはなぜか。

浅利慶太氏が役者として舞台の世界に飛び込んだ時代は、自分が捨てるほどのものは何もなかったのです。
お金も地位も名誉も、恵まれた家庭環境も、何もないところから、浅利さんや、故日下武史氏などの劇団創設者は、役者人生を歩み始めました。

しかし時が経ち、劇団四季に入る俳優は、子供の頃からバレエやダンスを学び、時には海外での生活なども経験できるような、恵まれた環境の中で舞台の世界を目指すようになりました。

俳優は、なけなしの何かを「捧げる」境遇ではなくなったのです。
逆に、舞台の世界に入るために「捨てる」ことの方が多い

トップバレリーナとしての地位、芸能界でトップアイドルだった地位、ごく普通に就職し、結婚して子供を持ち、幸せな生活を送れる優雅な将来。そんな自分の手に入れた名誉や安定を捨てて、厳しい舞台の世界に入るのです。

そんな理由から、浅利慶太氏は歌詞を変えたのだそうです。

この歌詞が嫌いだと考える方を、私は否定するつもりはありません。
ただ、このフレーズに込められた、劇団四季創設者達の生きてきた道を知っていただけたらいいなぁと思いました。

ちなみに、舞台の裏方さんも同じような道を歩んできたそうです。
昔は、世間から爪弾きにされて行き場のない人のたどり着く場所が、体を酷使するだけで誰もやりたがらない、舞台の裏方という仕事でした。
それが今では、自ら望んでその世界に進もうとする若者の方が多いのです。

「コーラスライン」を観ることがあったら、ダンサーを演じる俳優さん達の人生や、希望を胸に抱いた若き日の浅利慶太氏やその俳優仲間達、そしてそんな舞台の世界に身を置く多くの裏方さん達のことも思い浮かべてみてください。
きっと最後のラインダンスが、よりいっそう強く輝いて映ることでしょう。

劇団四季「コーラスライン」全国公演の情報は、↓こちらから
https://www.shiki.jp/sp_stage_schedule/?aj=1&rid=0028&ggc=9999

まとめ

  • 北海道四季劇場は、2020年3月15日でクローズ
  • 現段階では、北海道での新劇場建設は未定
  • 5月のゴールデンウィークに、「コーラスライン」札幌公演が決定!

北海道の劇団四季の舞台を楽しみにしている方々には、少し不満の残る内容だったかもしれません。
でも私は、必ず四季は北海道に、また拠点を構えると信じています。
だって、浅利慶太さんが「北海道の人にもミュージカルを楽しんでもらいたい」と考えて、「CATS」のロングラン公演が始まったのですから。

「すべての人」に感動と勇気を与えるのが、劇団四季の求めるものなのですから。